骨髄バンクのドナー体験記(後半)
もうちょうど去年の5月の話になってしまいます。
骨髄液の提供をするにあたって採取をする病院を選べるのですが、
いいだっちは千葉の房総にある海辺の大きな病院を選びました。
なんか海辺の病院ってイメージ良くないですか?(笑)
自宅からはかなり遠いですが、
そのイメージの良さで選んでしまいました。
しかし、入院の3泊4日の間はほぼ雨か曇天で眺望もあまり良くなくてガッカリでしたわw

入院の期間中は小雨か毎日こんな天気
ただこの入院に至るまでが結構大変で、大掛かりな検査がほぼ半日が1回
自己血液(400ml)の採取が2回と仕事を休んで病院へ行く必要があります。
またいいだっちは週末にサッカーをやる事が多いので、サッカーをやった日から3日くらい経過しないと筋肉疲労によって肝臓だか腎臓だかの数値が悪くなるそうで、再検査かもしくは提供中止になる可能性があってかなり気を使っていました。
まぁとにかく人生で初めての入院です。
マジでドキドキ体験でしたが、人生で初めての入院が自分ではなく他人のためってちょっと誇らしく思いました。

荷物はちゃんと荷台の網棚へあげたからね!
いざ電車に乗り込む時は
「ちょっと待ってろよ!誰だか知らねーが今から助けに行ってやっからな!」なんて意気込んでいた覚えがあります(笑)
そして病院に着くなりコロナの検査とまた血液検査です。
これが何度も何度も入院中毎日腕をブッ刺されて正直言って萎えます。
やっと部屋に通されると海の見える個室へ案内されました。

手術に際して髭はNGらしく、剃らされました(笑)

病棟のロビーは綺麗でしたが、誰も使ってる気配はありませんでした。
そして病棟のロビーでふと目にしたこのポスター

白血病で亡くなった本田美奈子さんの「白血病に負けない。負けさせない。」というポスター
この負けないだけでなく、「負けさせない」という言葉に自分はグッときました。
「負けない」という言葉は患者さんだけの気持ちで僕ら白血病になっていない人の気持ちではありませんが、
「負けさせない」という気持ちは白血病になっていない今自分の気持ちそのものだったのです。
そしてその日の夕方はすぐに晩御飯なのですが一応千葉でも有名な病院なので少しは期待していました
が…。

これは酷い…。

ちょっといいだっちには足りないので、そっこーで夜中にコンビニで夜食ですわ
そして翌朝
骨髄液採取手術の当日です。
骨髄液は骨の内部にあるので、身体の中で一番大きな骨である骨盤から採取します。
注射器で腰の左右から100回近く注射器のような採取器をブッ刺すらしいです。
腰から採取するので手術のガウンを前後反対に着ました。

手術室へは自分の足で行きました。
ストレッチャーのようなもので搬送する予定でしたが、
まだ全然元気なので自分で行きますよと笑って答えました。
しかしいざ手術室へ入ると3~4部屋くらい分かれていて結構慌ただしく看護師さんたちが動き回っていて圧倒されました。
そのあたりから明確にいいだっちビビリ初めました。
明らかに怖気付いていました。
狭いストレッチャーに固定されてガスマスクのような物を装着されて
「はい、声に出して数を数えて下さいね~」と言われていくつまで数えたか覚えていないうちに気付いたら終わってました(笑)
終わった瞬間に沢山のスタッフさんから大きな声で
「ありがとうございました!」「お疲れ様でした!」とすごい言われたのだけ覚えています。
医者や看護師さんから感謝される事なんて今まで経験に無かったので、すごく印象に残っています。
後から思ったのですが、あれはいいだっちにでは無くて
執刀した主治医の先生へ言ったのでは?と思い返していますが、真実は不明ですw



終わった後はまぁとにかく痛い!腰が痛い!ビリビリに痛い!まじで痛い!
そしたら点滴で鎮痛剤を注入してもらってすぐに痛みは治まりました。
そして今度は敷布団に用意された電気カーペットが暑い!とにかく暑い!
暑がり体質のいいだっちには苦行でした。
全身麻酔をすると体温が急激に下がるリスクがあるので、我慢して下さいと言われましたが
「いや、むり!まじ無理だから!」
とわがまま発動して取ってもらいました。
その後は排尿ですが、手術をして全身麻酔後は翌朝まで絶対安静でベッドから出たらダメだと言われ排尿器を男性看護師さんが持って来ました。
その時点で
「いや、むり!まじ無理だから!」
いや、トイレで倒れて事故になるリスクがあるから
「いや、もう大丈夫です!俺は大丈夫!」
と我儘発動して(男性)看護師さん立ち合いで排尿を許してもらいました。
そしてその晩も夜中にコンビニへ買い出しに行くいいだっちであった…。

すっかり元気なのでとりあえず患部はこんな感じです。
そして翌日は一日ゆっくり病院で過ごす事になるのですが、
手の甲に刺した針がとにかく痛い!まじ痛い!本当に痛い!

「体調はどうですか?」
と聞かれても患部じゃなくて手が痛いです!と答えたら
「また痛みがぶり返した時の為の鎮痛剤を注入するのに必要なんだよね」と言われ
「いや、だったら手の甲の鎮痛剤をくれ!」とここでも我儘発動。
仕方なく取ってもらいましたw

そして病室ではテレビ無料でWi-fiも完備もちろん無料
ベッドに備え付けられたモニターでいろんなサービスがある事に2日目で気づく…。



オプションで追加料金払えば結構いいもん食えるじゃねーか!
早く言えよ!と2日目になって気づくという失態を…。

もちろんオプションで豪華メシにしましたよ!
そして最終日お世話になった部屋にお別れし、
荷物の整理をしてチェックアウト?退院の準備になります。

最終的に患部はこんな感じです。
まぁ患部の痛みは無いのですが、今度はテープかぶれが酷くてとにかく患部周辺の痒みが酷い!
いいだっちはテーピングもすぐにかぶれるので、あまり出来ないのです。
痒みがひどくて痛み止めより痒みの軟膏を多めに処方してもらいました。
その痒みは二週間以上続く事になるのですけど…。
しかしその入院中は白血病で闘っていて残念ながら亡くなってしまった「ponず。くん」がSNSで声をかけてくださって仲良くさせてもらったり、色々知り合う機会をもらいました。
ただ、やはり白血病というのはまだ治る病気とは言えないのが現実です。
SNSで知り合った「れっちゃん」とか多くの仲間が残念ながら去って行ってしまいました。
とはいえ助かった人も多くいます。
やはり骨髄移植は提供する人がいないと成り立たないので、本当に多くの人の善意が必要だと思います。

天才だけでは救えないという言葉これも重みがある言葉ですよね。
ただ天才じゃなくても救える事があるのも事実だと思います。
医者でも無い自分が人の命を救えるかもしれない可能性を提供出来るなんてあまり無い機会だと思いました。

そして厚生労働大臣様から感謝状もいただきました。
賞状なんてあまり貰った事が無いいいだっちは少し照れくさい気分と共にやっぱり日本のお大臣様から感謝状が貰えるなんて感激ですわ。
そして最後に
「また白血球のHLAがマッチしたらドナーとして提供しますか?」
と質問されたのですが
いいだっちは間をおかずに
「もちろんやりますよ!」と
答えました。
「細胞なんて臓器と違っていくらでも殖えるモンですからいくらでも提供してやんよ!」
これが素直ないいだっちの気持ちです。
今でも多くの白血病の患者さんが闘っています。
移植して生着しても、再発するリスクも高い病気なのです。
移植を受けてもしばらくはGVHDという副作用の苦痛と闘う必要があります。
この苦痛は皆大変なのだそうです。
このGVHDを乗り越えて免疫抑制剤を処方し、沢山大変な思いをしても半年も経たずに再発する人もかなり多いようです。
また一から抗がん剤からの移植待ちという繰り返しで闘病を諦めて緩和ケアを選択する人も多くいます。
白血病は今はまだ怖い病気です。
もう白血病なんて怖くないという時代が来るまでまだ沢山の善意が必要だと思います。
誰だかわかんねーけどみんなで助けに行きませんか?
いいだっちも行くので一緒に助けてやろうぜ!
骨髄バンクへの登録を是非お願いします!
いいだっちからのお願いでした!
では!